注文住宅を建てる際に検討したい水害対策

八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳といった山々に囲まれている北杜市は、これまでに大きな風水害被害に見舞われた経験があります。
例えば、昭和18年には八ヶ岳の権現岳を中心とした集中豪雨により山岳が崩壊し、川俣川西沢から須玉川、塩川沿岸に被害を与えています。小海線高川鉄橋や用水路、田畑、橋の流出など甚大な被害が起こりました。
また、昭和34年8月に発生した台風7号では、防雨風雨の被害が非常に大きく、釜無川上流では500mmの豪雨によって発生した自然ダムが崩壊し、土砂が大量に含まれた山津波となって下流を襲いました。これにより死者16名、行方不明者11名、負傷者23名、流出161戸という甚大な被害隣、災害救助法の適用となっています。
上記はこれまでに発生した災害のほんの一部となっていますので、住宅建築の際にはどのような対策が必要なのかを検討する必要があるといえるでしょう。

注文住宅を建てる際にできる水害対策についてご紹介します。

まず、盛り土などを行って敷地全体を高くする「かさ上げ」が考えられます。水は高いところから低いところに流れる性質があるため、もし家を建てようとしている土地が周囲よりも低い場合には、そこに水が集まってしまう可能性があります。そのため、家を建てる際に盛り土を行うことによって、敷地に水が集まらないように工夫する必要があるといえます。

かさ上げとは別に、家の基礎を高くする「高床」と呼ばれる方法もあります。家を建築する場合には、コンクリートなどによって基礎を作る際に、一般的な住宅よりも高くします。このことによって、1階床への浸水を防ぐことができます。
他にも、1階をいわゆる「ピロティ状」の空間にし、2階にメインの居室を配置する、という方法も考えられます。

防水性の塀で家を囲むことによって浸水を防ぐ、という方法もあります。一般的な住宅ではあまり止水板を見ることはありませんが、これも1つの方法として覚えておくと良いでしょう。

また、家を建てる際には水害の被害を受ける可能性がある土地かどうかという点もあらかじめ確認しておくことも必要です。そのためにはハザードマップを活用し、家を建てようとしているエリアがどれくらい災害のリスクがあるのかをチェックしておきましょう。