ZEH（ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス）の特徴とは？

ZEHとは「Net Zero Energy House」の頭文字を取った言葉で、「ゼッチ」と読みます。国が掲げる目標は、2020年までに標準的な新築住宅をZEH住宅にすること、2030年には新築住宅の平均をZEH住宅にすること。それに伴い、補助金の制度もあります。

ZEH住宅の特徴は、

• 断熱性能が高い
• 高効率な設備システムの導入
• 省エネであり、室内環境を快適に保つ
• 再生可能エネルギーの導入
• 年間の一次エネルギー消費量の収支ゼロ

などがあり、太陽光発電システム、断熱材、エネルギーの収支を確認できるHEMSの導入などを行います。
いかに消費を減らし、CO2を出さずにエネルギーを作り出して生活できる住宅であるか注目された設備投資の住宅と言えるでしょう。

ZEHは高機能住宅ですから、メリットはたくさんあります。生活の上で健康や費用に関するメリットが大きいので紹介します。

急激な気温の変化によって血圧が乱高下し、体に悪い影響が出ることをヒートショックと言います。ZEH住宅は、高断熱で外気の影響を受けにくく、真冬でも住宅全体を暖かく保てるのが強み。そのため、真冬のお風呂や暖房の効いた部屋からトイレに行った際に起こりやすいヒートショックの対策にもつながるのです。

2016年4月に施行された「BELS」という住宅の省エネ性能評価制度により、5段階の評価がされるようになりました。星が多いほど評価が高く、住宅の資産価値も上がるのが特徴です。ZEH住宅は省エネに特化した住宅で、高評価を付けてもらえる可能性が高くなります。

太陽光発電のエネルギーを溜める「蓄電池」を設置して、日ごろから電力を溜めておけば、停電で起きた際に蓄電池へ切り替えることが可能です。また、日頃使用している電力を太陽光発電で得た電力で賄うことにより、電気代の節約にもつながります。

ZEH住宅の推進は国策でもあるため、条件を満たしていれば補助金を受け取ることができます。年度や内容によって条件は変わりますが、約60〜115万円の補助金が出るので、事前に調査し施行会社とも相談してみましょう。

国が推奨するのも納得のメリットが大きいZEH住宅ですが、デメリットがあることもしっかり理解しておきましょう。

ZEHは断熱性能が高く、HEMSやスマートメーターなどが導入されるため、通常の住宅よりコストがかかります。補助金が出る可能性や節電などもできますが、初期費用が高くなってしまうことは住宅を建てるうえでデメリットとなるでしょう。

太陽光発電は、天候によって発電量が変わります。特に梅雨の時期や冬は日照時間が少なくなるため、発電量が減ってしまい節電ができなくなることも。発電量が不安定なため、節約や売電の予測は付きにくくなります。

ZEH住宅では屋根に太陽光パネルを設置します。日射量を確保しつつ、安全性を考慮する必要があるため、屋根の向きや形状が自由に選べず、制限される可能性があります。

太陽光パネルは設置して終わりではありません。屋根の上に設置するため、強い日差しを浴び、強風や雨などで劣化や損傷することがあります。また、鳥の糞などによる汚れが付着することも。パネルに傷や汚れが付くと、太陽光がガラスを透過しにくくなり、発電効率が低下します。

また経年劣化による性能の衰えも必ず起こるため、日々のメンテナンスだけでなく、定期的なメンテナンスが必要です。1回の定期メンテナンスには約2万円、太陽光パネルや周辺機器の故障などがある場合には、さらに費用がかかることを知っておきましょう。